スキャンしたPDFはどこで分割する?書類・案件・ファイル単位の決め方

スキャンしたPDFをどこで区切るかは、受け取った後に「そのPDFを1つの単位として何をするか」から決めるのが基本です。取引先へ送る、会計システムに登録する、案件ごとに探す、といった使い方によって、1書類・1案件・紙ファイル1冊のどれが扱いやすいかが変わります。決めた内容は判断表にまとめ、境界の目印や例外の扱いとあわせてスキャン前に委託先へ渡しましょう。この記事では、分割単位の選び方から、別紙・白紙の扱い、分割位置の伝え方、容量の確認、サンプルでの試し方までを順に説明します。ファイル名の付け方やフォルダの階層は扱わず、「1つのPDFに何を入れるか」に絞ります。
PDFの分割単位を選ぶ
代表的な分割単位は3つです。どれが正解というものではなく、利用場面との相性で選びます。
| 分割単位 | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1書類1PDF | 請求書を1通ずつ会計システムへ登録する、契約書を1件ずつ参照する | ファイル数が増える。境界の判断が多く、指示があいまいだと作業者によって区切りがぶれる |
| 1案件1PDF | 工事や案件の経緯をまとめて読み返す、案件単位で共有する | 案件番号が紙に書かれていないと境界を判断できない。1案件に複数種類の書類が混ざる |
| 1冊1PDF | 紙のファイルを丸ごと記録として残す、当面は閲覧が中心 | 必要なページを探すのに時間がかかる。ページ数が多いと容量が大きくなる |
迷ったときは、「このPDFを単体で誰かに渡すことがあるか」を考えます。1通ずつ送付や登録をするなら1書類単位、案件の担当者が全体を読むなら1案件単位が候補です。閲覧しかしない過去書類なら、1冊単位で受け取り、必要になった書類だけ社内で切り出す方法もあります。
書類の種類ごとに単位を変えても構いません。ただし、同じ種類の書類の中で単位が混在すると探しにくくなるため、「種類ごとに1つの単位」を原則にします。
別紙と連続ページの扱いを決める
分割単位を決めても、境界付近のページをどちらに含めるかで迷う場面が残ります。とくに次のページは、委託先が判断できるよう扱いを明文化しておきます。
| 対象 | 決めること | 記入例(架空の例) |
|---|---|---|
| 添付・別紙 | 本体と同じPDFに含めるか、別のPDFにするか | 契約書の別紙と覚書は本体と同じPDFの末尾に含める |
| 裏面 | 記載のある裏面を表面の直後に入れるか | 裏面に記載がある場合は表面の次のページに入れる |
| 白紙 | 白紙のページを残すか、除くか | 何も書かれていない裏面は除く。「以下余白」などの記載があるページは残す |
| 仕切り紙・インデックス | 区切りとして使うだけか、ページとして残すか | 年度の仕切り紙は境界の目印として使い、PDFには含めない |
| 封筒・送付状 | 中身と同じPDFに入れるか、除くか | 差出人と日付が分かる封筒の表面は中身の先頭ページに含める |
白紙を除くか残すかは、ページ数の照合に影響します。原本の枚数とPDFのページ数を突き合わせて欠落を確認したい場合、白紙を除くと数が合わなくなるため、除いた枚数をどう記録するかも決めておきます。
白紙の自動除去や仕切り紙の扱いに委託先がどこまで対応できるかは、委託先ごとに異なります。上の表のような扱いを書き出したうえで、対応可否を確認しましょう。
分割位置を委託先に伝える方法
分割位置の伝え方は、大きく「依頼リストで指定する」「紙の状態で示す」の2つです。両方を組み合わせると、認識のずれを減らせます。
- 依頼リストで指定する:箱やファイルごとに分割単位と境界の目印を一覧にする。中身を確認しないと分からない境界は、判断の基準を言葉で書く
- 紙の状態で示す:クリップ、封筒、クリアフォルダなどで、1つのPDFにしたい束を物理的に分けておく
- 付箋や区切り紙を使う:境界に目印を挟む。付箋や区切り紙そのものを読み取るのか、取り除くのかを事前に合意する
依頼リストに載せる判断表の記入例を示します。書類群、分割単位、境界の目印は架空の例です。
| 書類群 | 分割単位 | 境界の目印 | 同じPDFに含めるもの | 判断に迷ったとき |
|---|---|---|---|---|
| 2019年度 支払請求書 | 1書類 | 請求書の1枚目(請求番号が変わる箇所) | 同じ請求番号の明細書 | 1つのPDFにまとめ、依頼リストに記録 |
| 工事案件ファイル | 1案件 | ファイル内の案件別インデックス | 見積書・注文書・報告書 | 保留として社内担当者へ連絡 |
| 2015年度 社内会議資料 | 1冊 | 紙のファイルの表紙 | ファイル内のすべてのページ | ― |
| 経費の領収書 | 1束 | クリップ・封筒の単位 | 同じ束の領収書 | 束ごとにまとめる |
紙ファイルやキングファイルに綴じたまま送る場合は、ファイル内のどこが境界になるかを依頼リストで補います。綴じたまま依頼するときの確認事項は「キングファイルを綴じたまま電子化するには?依頼時の確認事項」で整理しています。
Chatworkスキャン代行の公式ページでは、領収書はクリアフォルダ・封筒・クリップなど分かりやすい単位で分けておけばPDFを分割できると案内されています。領収書以外の書類で、どの単位まで分割に対応できるか、付箋をどう扱うかは、見積もり時に確認してください。
例外と容量の制約を整理する
判断表どおりに区切れない書類は、本番ではよく出てきます。よくある例外と、決め方の例を挙げます。
| 例外 | 決め方の例 |
|---|---|
| 数百ページある長い資料 | 章や年度ごとに分け、分けたPDFの順番が分かるようにする |
| 1冊に複数の書類が混在 | 書類ごとに分けるか、1冊のまま受け取って社内で切り出すかを書類群ごとに決める |
| 境界が判断できない | 保留としてまとめ、社内の担当者が判断する |
| 1つの書類が2冊にまたがる | どちらの冊に属するPDFとするかを決め、依頼リストに記録する |
容量の制約も確認しておきます。PDFを登録する先のシステムやクラウドストレージ、メールの添付には、1ファイルの容量やページ数に上限が設けられていることが一般的です。上限は製品や契約プランによって異なるため、利用先の公式な説明や社内の管理者に確認し、上限を超えそうな書類群は分割単位を細かくします。
容量は解像度やカラー設定によっても変わります。大きくなりやすい書類群は、分割単位と画質の設定をあわせて委託先に相談しましょう。分けたPDFのファイル名に枝番を付ける場合のルールは「スキャンしたPDFのファイル名はどう付ける?命名ルールと具体例」を参考にしてください。
サンプルで業務利用を試して単位を確定する
分割単位は、机上で決めるより、実際のPDFを業務で使ってみるほうが確実に判断できます。少量の原稿で区切ったPDFを受け取り、次の操作を試しましょう。
- 取引先や社内へ送る場面を想定し、1つのPDFをそのまま渡せるか
- 普段の探し方で目的のPDFにたどり着けるか、開いた後に目的のページを探しやすいか
- 会計システムや文書管理システムに登録したとき、容量や形式で止まらないか
- 別紙や裏面が想定どおりの位置に入っているか
試した結果、単位が細かすぎる・粗すぎると感じた書類群は、判断表を修正して版を更新します。サンプル確認の進め方と評価シートの作り方は「スキャン外注前のサンプル確認|本番依頼で失敗しない進め方」で詳しく紹介しています。
Chatworkスキャン代行では、フォルダ構成や命名ルールなど指定の方法でPDFを格納・納品すると案内されています。また、事前の見積もりで料金を明示し、追加費用が発生する場合も事前に案内するとしています。分割の指定に対応できる範囲や、分割の細かさによって料金が変わるかは、打ち合わせで書類の量・状態を伝える際に判断表を見せながら確認しましょう。
あわせて読みたい
参考情報・サービス情報