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電子化した書類のフォルダ構成はどう決める?部署・案件別の設計例

公開日:更新日:電子化の進め方
用途に合わせた電子書類のフォルダ構成を考えるイメージ

電子化した書類のフォルダ構成は、紙の保管場所をそのまま再現するよりも、利用者が「何を手掛かりに探すか」から決めると使いやすくなります。部署、案件、取引先、年度のうち、最初に分かる情報を上位の階層へ置きましょう。あわせて一つの書類の保存先を決め、分類できない場合の担当者を明確にします。

大量スキャンを外注する場合、この設計を納品前に済ませることが重要です。PDFを受け取ってから一つずつ移動するのでは、整理の負担が社内に残ります。本記事では、業務別の構成例と、委託先へ渡す納品仕様の作り方を紹介します。

まず利用する担当者に、よく探す書類を具体的に挙げてもらいます。「先月の請求書を見たい」「案件番号から過去の契約を探したい」「現在の申請様式を開きたい」では、最初に選ぶべきフォルダが異なります。抽象的に分かりやすさを議論するより、実際の検索場面を数件試すほうが判断しやすくなります。

最初に分かる情報 上位に置く軸の候補 確認する点
処理月や対象年度 業務→年度→月 取引先を横断して確認することが多いか
案件番号や物件番号 案件→文書区分 年度をまたいでも同じ案件を追うか
担当する業務 共通業務→用途 最新の様式や手順を探すことが中心か
取引先名 取引先→案件または文書区分 社名変更や同名企業を識別できるか

部署名を最上位にすると責任分担は示しやすくなりますが、組織変更のたびに構成が変わる可能性があります。複数部署が使う書類は、継続する業務や案件を軸にした共通領域に置く方法も検討しましょう。ただし共有範囲とフォルダの分け方は同じ問題ではなく、利用するシステムの権限設定も確認が必要です。

経理・案件・共有資料の構成例を比較する

以下は設計を考えるための架空の例です。どの会社にも当てはまる完成形ではありません。社内で使っている年度、案件番号、文書の管理単位に合わせて調整してください。

経理資料:処理する時期から探す例

経理資料/
  2026年度/
    2026-10/
      請求書/
      領収書/

月次の確認を軸にする場合は、処理月の下へ文書区分を置く方法があります。「発行月」「受領月」「計上月」のどれを採用するかは明文化してください。年度の開始月も会社によって異なるため、暦年と事業年度を同じ意味で扱わないことが大切です。

案件資料:年度をまたぐ仕事をまとめる例

案件資料/
  PJ-0042_架空案件A/
    契約/
    提出資料/
    完了記録/

長期間続く案件では、年度より案件番号を上位にしたほうが経緯を追いやすい場合があります。契約書をまとめる際は、フォルダ設計だけでなく、原本と関連書類の対応も必要です。具体的な管理単位は契約書を契約単位でPDF化する方法と合わせて検討できます。

社内共有資料:現在使うものを迷わず開く例

社内共通/
  申請様式/
    現行/
    過去版/
  業務手順/

この例では、日常利用する現行版と過去版を分けています。ただし、フォルダ名を変えるだけでは古いリンクやダウンロード済みのファイルまでは更新できません。版の更新担当と案内先も決め、既存の文書管理システムに版管理機能がある場合は、その運用に合わせましょう。

深すぎる階層と重複保存を防ぐ

部署、担当者、年度、月、取引先、案件、書類種別をすべて階層にすると、保存先を選ぶたびに迷いやすくなります。階層数に一律の正解はありませんが、実際の利用者が必要な書類にたどり着けるかを試し、頻繁に使わない分類はファイル名や管理台帳へ持たせることを検討します。

フォルダとファイル名の役割も分けましょう。フォルダはまとまりを示し、ファイル名はその中の文書を識別するために使います。「その他」「新しいフォルダー」など内容を判断できない名前や、同じ意味の略称が混在すると、運用後に迷いが増えます。ファイル単位の設計はPDFの命名ルールと具体例で確認できます。

複数部署で同じ書類を使う場合、各部署へコピーすると更新や削除の判断が分かれてしまいます。正本の保存先を一つ決め、利用先システムが対応している場合はリンクやショートカットで案内する方法があります。リンク先の閲覧権限を確認し、移動や名称変更によってリンクが切れないかも試してください。

分類の例外と管理責任を決める

実際の書類には、複数案件に関係するもの、案件番号がないもの、旧社名で綴じられたものがあります。例外が出るたびに担当者が新しいフォルダを作ると、設計が短期間で崩れてしまいます。判断が必要な資料の一時置き場と、最終的な保存先を決める担当者を用意しましょう。

例外 あらかじめ決める処理
分類に必要な番号がない 判断待ちへ分け、原本管理番号と不明点を一覧化する
複数の案件に関係する 正本の格納先を指定し、他案件からの参照方法を決める
旧名称・旧部署名で保存されている 旧名称と現名称の対応表を管理し、名称変更の責任者を決める
同じ名前のPDFがある 上書きを止め、枝番や版の扱いを確認する

判断待ちの場所を作る場合は、置いたままにしないための確認頻度と担当者も必要です。一般の共有領域に置けない情報は別の扱いにします。フォルダを新設できる人、名称を変更できる人、案件完了後に移動する人も決め、運用ルールに短く残しておくと引き継ぎがしやすくなります。

ツリーと対応表を納品仕様として共有する

外注先に渡す資料は、完成後のフォルダツリーと、原本から保存先への対応表を組み合わせます。「案件別に整理してください」という説明だけでは、紙に案件番号がない場合や複数案件の資料が混ざった場合の判断を任せることになります。指定できる条件と、社内へ問い合わせてもらう条件を分けてください。

  1. 対象の箱・ファイルに管理番号を付け、内容と保存先の対応を作る。
  2. 代表的な原稿について、フォルダ・PDF分割・命名の完成例を示す。
  3. 判断待ち、重複、旧名称などの例外処理を合意する。
  4. 利用先システムの使用可能文字、パスの長さ、階層やファイル容量の制限を確認する。
  5. 納品一覧と実際のフォルダを照合し、取込み後もファイルを開けるか確認する。

社内では通じる略称でも、委託先に同じ意味で伝わるとは限りません。架空の文書名を使った例示でもよいので、期待する成果物を具体化すると認識を合わせやすくなります。依頼全体の順番は大量書類のスキャン外注の進め方を参考に、納品仕様を発送前に固めましょう。

まとめ:保存先と例外処理を依頼前に決める

フォルダ設計は、探す手掛かりを優先軸にし、正本の保存先と判断待ちの処理を定めると運用しやすくなります。Chatworkスキャン代行では、指定のフォルダ構成・ファイル名でのPDF納品を案内しています。自社で利用するシステムに合わせた仕様を整理し、対応条件を確認してください。

参考情報