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契約書のスキャンを外注するには?契約単位のPDF化と原本管理

公開日:更新日:書類別の電子化
契約書を契約単位にまとめてスキャンの準備をするイメージ

契約書のスキャンを外注するときの要点は、「契約本体・覚書・別紙の関係を整理してPDFの単位を決める」「契約管理台帳のIDとファイルを結び付ける」「原本の所在を記録し続ける」の3つです。注意したいのは、検索用にPDF化することと、原本を廃棄できることは別の問題だという点です。原本の扱いは、文書の種類・法令・契約の定め・社内規程を法務などの担当者が確認して決めます。

電子化する契約書の範囲を決める

1つの取引に関する契約書は、本体だけでなく、後から結んだ覚書や変更契約、別紙・仕様書などが別々の場所に保管されていることがよくあります。電子化の前に、契約ごとの関係を対応表にまとめます。記入例は架空のものです。

契約ID 文書 関係 原本の所在 PDFの扱い
C-2019-014 業務委託基本契約書 本体 法務キャビネット1 契約単位のPDFに含める
C-2019-014 覚書(料金改定) 本体の変更 営業部のファイル 同上
C-2019-014 別紙 仕様書 本体の付属 法務キャビネット1 同上
C-2021-102 秘密保持契約書 本体 総務書庫 箱B-0021 単独のPDF

本体と覚書が別の部署にある場合、そのまま送ると別々のPDFになり、後で関係が分からなくなります。送付前に集めるか、契約IDを付けて委託先に関係を伝えます。期間が終了した契約を対象に含めるかどうかも、この段階で決めておきます。

契約単位のPDFを設計する

PDFのまとめ方には主に2つの考え方があります。

まとめ方 向いている場面 注意点
契約ごとに1つのPDF(本体+覚書+別紙) 契約の全体像を一度に確認したい 覚書が後から増えたときの追加方法を決める
文書ごとに1つのPDF 文書単位で台帳に登録したい 契約IDで関係を必ず結び付ける

あわせて、次の点を仕様として決めておきます。

  • ページの順番:本体→別紙→覚書(日付順)など、並べ方を固定する。
  • 両面と白紙:裏面に記載がある契約書は両面で読み取り、白紙ページを除くかどうかを決める。
  • 押印や割印:判読できることを確認項目に含める。
  • 製本された契約書:綴じたまま読み取るか、解体してよいかを委託先と確認する。

契約書は、相手先の社名が変わったり、同じ相手と似た名前の契約を複数結んでいたりするため、相手先名と契約名だけでは重複や取り違えが起きます。契約管理台帳で一意の契約IDを振り、ファイル名の先頭に使うと、台帳とPDFを確実に結び付けられます。

ファイル名の例(架空):C-2019-014_業務委託基本契約_サンプル商事_20190401.pdf

台帳には、相手先、契約種別、締結日、契約が有効かどうか、原本の所在、PDFの保存場所を記録します。ファイル名のルールの作り方は「スキャンしたPDFのファイル名はどう付ける?命名ルールと具体例」で詳しく紹介しています。

原本と閲覧権限を管理する

電子化の作業と、原本をどうするかの判断は分けて考えます。検索や共有のためにPDFを作っても、それだけで原本を廃棄してよいことにはなりません。

原本の扱いを判断するための確認先

  • 文書の種類と法令:取引に関する契約書の中には、税務上の保存の対象になる書類もあります。税務の制度には、最初から電子で作成した帳簿書類の保存、紙の書類を画像で保存するスキャナ保存、電子取引データの保存という区分があり、スキャナ保存には定められた要件があります。紙の契約書がどの区分に関係するかは、国税庁の資料で確認します。
  • 契約の定め:相手方との契約で原本の保管について定めがないか。
  • 社内規程:文書管理規程で原本の保存方法が決まっていないか。
  • 紛争への備え:将来、原本の提示を求められる可能性がないか。

判断は法務担当や文書管理の責任者が行い、必要に応じて弁護士・税理士などの専門家に相談します。この記事は、特定の契約書について原本を廃棄できるかどうかを判断するものではありません。

閲覧権限

PDFにすると共有しやすくなる分、誰が見られるかを決めておく必要があります。次は区分の例です。

契約の区分 閲覧できる人の例 原本の保管の例
一般の取引契約 契約担当部署、法務 法務キャビネット(施錠)
秘密保持契約・重要な提携契約 法務、役員など限定 施錠保管、持ち出しは記録
個人と結んだ契約 担当部署と法務の限定メンバー 施錠保管

個人の氏名や住所などを含む契約書を委託先へ渡す場合は、個人データの取り扱いの委託にあたるかを確認し、個人情報保護委員会のQ&Aなどで委託先の管理に関する考え方を確かめておきます。

委託前と納品時に照合する

委託前

  • 対象契約のリスト(契約ID・文書・おおよそのページ数)を作る
  • 機密性の高い契約を委託の対象に含めるか、社内で承認を取る
  • 送付する箱と契約IDの対応を記録する

納品時

  • リストの契約IDがすべてPDFになっているか
  • 本体・覚書・別紙がそろっているか、ページの抜けや順番の誤りがないか
  • 押印、手書きの修正、日付が判読できるか
  • 原本の所在が台帳と一致しているか(返却・保管・処理のいずれか)

大量案件の全体の進め方は「大量の紙書類をスキャン外注するには?依頼から納品までの進め方」、委託先の比べ方は「法人向けスキャン代行業者の選び方|比較したい8つの項目」にまとめています。Chatworkスキャン代行では、キングファイルなどに綴じたままの送付や、指定のフォルダ構成・命名ルールでのPDF納品が案内されています。製本の扱いや原本の返却など契約書に特有の条件は、資料や問い合わせで確認してください。

まとめ

契約書の電子化では、本体・覚書・別紙の関係を対応表にまとめ、契約単位のPDFと契約管理台帳を契約IDで結び付けます。検索用にPDF化することと原本を廃棄できることは別であり、原本の扱いは文書の種類・法令・契約・社内規程を担当者が確認して決めます。委託前のリストと納品時の照合で、不足ページと原本の所在を確かめましょう。

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