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書類スキャンは内製と外注のどちらがよい?工数・費用・品質で比較

公開日:更新日:業者選び・費用
社内スキャン作業と外注発送の準備を比較するイメージ

書類スキャンを内製にするか外注にするかは、「量」「期限」「前処理の重さ」で判断するのが現実的です。毎日少しずつ発生する書類は社内で処理し、書庫に眠る大量の過去資料や期限のある案件は外注を候補にする、という分け方がよく合います。ただし判断の前に、内製と外注を同じ作業範囲にそろえ、社内の実測工数から費用を試算することが欠かせません。

内製と外注の作業範囲

「スキャンするだけなら社内でもできる」と感じても、実際の作業は読み取りの前後に多くの工程があります。外注しても社内に残る作業があるため、両者を工程ごとに並べて比べます。

工程 内製の場合 外注の場合
対象の選定・承認 社内 社内
前処理(留め具外し・並べ替え) 社内 委託先(範囲は要確認)
読み取り 社内 委託先
画像確認・読み取り直し 社内 委託先
ファイル名・フォルダ格納 社内 委託先(ルールは社内で作成)
発送準備・引き渡し 不要 社内
納品データの受け入れ確認 社内 社内
原本の保管・処理の判断 社内 社内(処理の実作業は委託できる場合あり)

外注しても「対象の選定」「ルール作り」「発送準備」「受け入れ確認」は社内に残ります。比較するときは、この社内工数を外注側にも計上することがポイントです。

自社作業の工数を測る

工数は推測ではなく、代表的な書類で実際に作業して測ります。手順は次のとおりです。

  1. 対象書類から、ばら紙、綴じた書類、付箋の多い書類など、状態の異なるものを混ぜて数百枚程度を選ぶ。
  2. 普段の担当者が、普段使う複合機やスキャナで作業する。
  3. 工程ごとに開始・終了の時刻を記録する。
  4. 読み取り直しや、ファイル名の付け直しが起きた回数もメモする。

記録シートの例を示します。数値は架空です。

工程 作業時間 対象 メモ
準備(留め具外し・並べ替え) 90分 500枚 ホチキスが多く時間がかかった
読み取り 60分 500枚 紙詰まり3回
確認・読み取り直し 30分 42枚 傾き・重なり送り
命名・格納・最終確認 60分 38ファイル 案件名の確認に時間がかかった
合計 240分 500枚 1枚あたり約0.48分

測定は1回で終わらせず、可能なら別の担当者や別の種類の書類でもう一度行います。慣れや書類の状態で、時間は大きく変わるためです。

費用を試算する

内製の費用は「工数×社内の時間単価」に、機器や管理にかかる費用を加えて計算します。次の算数例はすべて仮定の数字で、実際の相場や特定の会社の金額を示すものではありません。

  • 対象量:30,000枚(仮定)
  • 1枚あたりの作業時間:上の測定から0.48分(仮定)
  • 社内の時間単価:3,000円(給与・社会保険料・間接費を含めた仮定値)
  • 内製の進捗管理・品質確認:20時間(仮定)
  • 外注した場合に社内に残る作業(対象選定・発送準備・受け入れ確認):40時間(仮定)
  • 機器:既存の複合機を使うため追加費用なし(仮定)
項目 内製 外注
作業工数 30,000枚×0.48分=14,400分=240時間 委託先が実施
管理・社内に残る作業 20時間 40時間
社内工数の合計 260時間 40時間
社内工数の金額 260時間×3,000円=780,000円 40時間×3,000円=120,000円
外部への支払い なし(機器を新たに用意する場合は加算) 見積額(税抜)
合計 780,000円 120,000円+見積額(税抜)

この仮定では、外注の見積額が税抜で660,000円を下回れば、金額面では外注のほうが低くなります。上回る場合でも、社内工数の差である220時間をほかの業務に充てられるか、期限までに終わるかを含めて判断します。この金額差は工数を金額換算した試算であり、外注すれば人件費の支出が同額減るという意味ではありません。この試算では外部への支払額を税抜でそろえています。実際の支払予算は税込額でも確認し、自社の会計上の比較基準は経理担当者とそろえてください。送料や原本処理の費用が見積額に含まれているかも確認します。外注費の構成は「スキャン代行の費用は何で決まる?料金の内訳と総額の比べ方」で整理しています。

品質・機密性・期限で判断する

金額だけでなく、次の3つの観点も判断材料にします。

品質

社内作業では、担当者によって傾きの補正やページ順の確認の丁寧さがばらつきがちです。大量になるほど、品質の基準を文書にし、確認の手順を決めておく必要があります。

機密性

社外に出せない書類は内製にするか、原本を持ち出さない方法を検討します。外注する場合は、作業場所や作業者の範囲、原本の扱いを確認し、社内の承認ルートに乗せます。

期限

移転や書庫の返却など期限がある場合、通常業務と並行して数百時間の作業を確保できるかが判断の分かれ目になります。

区分 日常的に発生する書類 大量の過去資料
量の特徴 少量が継続的に発生 一度にまとまって発生
向く方法 内製(受け取ったその日に処理) 外注を候補に検討
社内で決めること 担当者、処理の締め、命名ルール 対象範囲、仕様、原本の扱い
注意点 担当者が不在のときの代わり 作業中に原本が必要になったときの対応

内製と外注を併用する方法

すべてを内製か外注かで決める必要はありません。次のような切り分けが考えられます。

  • 時期で分ける:今後発生する書類は社内で処理し、過去分だけを外注する。
  • 機密区分で分ける:社外に出せない書類は社内で処理し、それ以外を外注する。
  • 工程で分ける:対象の選定と命名ルールの作成は社内で行い、前処理から格納までを外注する。

外注に回す分については、対象の書類、量の幅、ファイル名とフォルダ構成、原本の扱い、希望納期を仕様としてまとめます。候補先の比べ方は「法人向けスキャン代行業者の選び方|比較したい8つの項目」を参考にしてください。Chatworkスキャン代行では、紙ファイルやキングファイルに綴じたまま送付でき、前処理から指定ルールでのPDF納品までの流れが案内されています。料金は個別見積もりです。

まとめ

内製と外注を比べるときは、外注しても社内に残る作業を含めて、同じ作業範囲で工数をそろえます。代表的な書類で実測した時間に社内の時間単価を掛け、比較する費目と税の扱いをそろえて外注の見積額と比べると、判断の分岐点が見えてきます。日常の少量処理は内製、大量の過去資料や期限のある案件は外注を候補にするなど、併用も含めて検討しましょう。

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