スキャン前のホチキス・付箋はどうする?外注前に決めたい前処理

スキャンを外注する前に、ホチキスやクリップ、付箋、クリアフォルダといった「前処理」をどこまで自社で行うかを決めておくと、依頼後の行き違いを減らせます。すべて外してから送る必要があるとは限りません。大切なのは、外すかどうかより先に「仕上がりのPDFに何を残すか」を決め、依頼時に言葉と写真で伝えることです。
本記事は、ばら紙の書類を前提に前処理の項目と依頼指示の決め方を整理します。キングファイルなど綴じた書類のファイル構造の扱いは、キングファイルを綴じたまま電子化するには?依頼時の確認事項で解説しています。
スキャン前処理に含まれる作業
前処理とは、原稿を読み取りにかけられる状態に整える作業です。ばら紙でも、留め具や付箋、袋の有無によって作業の中身が変わります。
| 分類 | よくある状態 | 前処理の内容 |
|---|---|---|
| 留め具 | ホチキス、ゼムクリップ、ダブルクリップ | 外して読み取る。留めていた範囲を区切りとして扱うか決める |
| 折れ・しわ | 三つ折りの書類、端の折れ、丸まり | 広げて平らにし、読み取り範囲から欠けないようにする |
| 向き | 横向きの表、上下逆に差し込まれた紙 | 読み取り後に文字が読める向きへそろえる |
| 付箋・貼付物 | 手書きメモの付箋、のり付けされたメモ | 外す・残す・別に読み取るのいずれかを決める |
| 袋・封筒 | クリアフォルダ、封筒、ビニール袋 | 中身を取り出し、袋の表書きをどう残すか決める |
Chatworkスキャン代行の公式ページでは、ホチキス留めやクリアフォルダ入りのままでも送付でき、向き補正などの前処理からプロが担当すると案内しています。一方で、付箋のメモを残すかどうかのように「どの情報を正とするか」は、書類の持ち主にしか決められません。作業そのものを委託しても、判断の基準は依頼側で用意します。
また、留め具は「ここまでが1つの書類」という区切りの目印でもあります。外す前に、ホチキス単位でPDFを分けたいのか、束全体を1つのPDFにしてよいのかを決めておきましょう。
付箋の情報を残すか決める
付箋は前処理の中でも判断が分かれやすい項目です。承認のメモや差し戻しの理由が書かれた付箋を外して読み取ると、その情報はPDFに残りません。反対に、付けたまま読み取ると、付箋の下にある本文が隠れることがあります。まず、付箋を次の3つに分けて考えます。
- 不要な付箋:しおり代わりや単なる目印。外して構わないもの
- 内容に意味がある付箋:指示、確認メモ、日付など、情報として残したいもの
- 判断できない付箋:書いた人や意味が分からず、社内で確認が必要なもの
内容に意味がある付箋について、本文と付箋の両方を確認できる形で残したい場合は、その希望を見積もり時に伝え、対応できる方法と費用への影響を確認します。読み取り方法は委託先や原稿の状態によって異なるため、「付箋の文字も本文も読めるようにしたい」「付箋だけ別のページにしたい」など、目的を具体的に書いて相談するのが近道です。
社内で決めておきたいのは、付箋に意味があるかを判断する基準です。たとえば「手書きの文字がある付箋は残したい」「文字のない色付き付箋は不要」のように、作業する人が見た目で判断できる言葉にします。判断できない付箋が多い束は、送付前に別の封筒へ分けておくと、確認の範囲を絞れます。
原稿を傷めないための確認
通常の書類と同じ扱いでは傷みやすい原稿は、事前に分けておきます。代表的な束を数か所めくり、次のような原稿が混ざっていないか確認しましょう。
- 薄紙や複写式の控えなど、紙が薄く重なりやすいもの
- 感熱紙の伝票など、印字が薄くなっているもの
- 破れ、テープでの補修、切り貼りのある書類
- 貼り付いて剥がれにくいページ、湿気で波打った紙
- A3を超える図面など、大きさが規格外のもの
これらの原稿をどう扱えるかは、紙の状態によって変わります。読み取りの可否や方法、追加の確認が必要かどうかは、見積もり時に現物や写真を示して相談してください。なお、Chatworkスキャン代行の公式ページでは名刺サイズからA3サイズまでを対象とし、A3より大きいもの(図面など)は相談、ポスター・カタログ・大判・社内広報誌・新聞は対象外と案内しています。
例外の原稿は通常の束に混ぜたまま送らず、封筒やクリアフォルダで分けて「要相談」と表書きすると気付いてもらいやすくなります。どの束から抜き出したかをメモに残し、納品後に元の書類と照合できるようにしておきます。領収書やレシートのように小さな原稿が中心の場合は、領収書・レシートのスキャンを外注するには?小さい原稿の整理と注意点もあわせてご覧ください。
自社で行うことと委託すること
前処理を委託する場合でも、依頼側にしかできない準備があります。逆に、時間をかけて自社で留め具を外しても、仕上がりの指示が伝わっていなければ効果は限られます。工程ごとに分担を整理しましょう。
| 工程 | 自社で行うこと | 委託先に任せる候補 |
|---|---|---|
| 対象の選別 | 電子化する書類・しない書類を分ける | —(依頼側で決める) |
| 区切りの指定 | どこまでを1つのPDFにするか決める | 指定に沿った分割 |
| 留め具・袋 | 外す・残すの方針を決める | 取り外し、袋からの取り出し |
| 付箋・例外原稿 | 残したい情報と要相談の束を示す | 指示に沿った読み取り(可否は見積もり時に確認) |
| 向き | 読みやすい向きの基準を伝える | 向き補正などの調整 |
自社で行いたいのは、対象の選別と区切りの指定です。電子化しない書類や、書類以外の物品が混ざっていないかは送付前に確認します。スキャン後の原本を破棄してよいかどうかも、法令や社内規程との関係があるため、社内の担当部署や専門家に確認したうえで決めてください。
一方、留め具を外す、クリアフォルダから取り出す、向きをそろえるといった手作業は、委託先に任せられる候補です。自社で外すか迷ったら、担当者の作業時間と、外した後に区切りが崩れるおそれを比べて判断します。書類量が多く全体の段取りから考えたい場合は、大量の紙書類をスキャン外注するには?依頼から納品までの進め方も参考になります。
依頼時に写真とルールを伝える
前処理の方針は、文章だけでなく代表的な原稿の写真を添えると認識をそろえやすくなります。写真は、留め具の付いた状態、付箋のある状態、要相談の原稿など、指示が分かれる種類ごとに用意します。氏名や金額が写る場合は、社内で承認された方法で共有してください。次の表は、前処理項目ごとの依頼指示をまとめた記入例です。
| 前処理項目 | 依頼指示の例 | 見積もり時に確認すること |
|---|---|---|
| ホチキス・クリップ | ホチキスで留めた単位ごとに1つのPDFにしたい | 区切りの判定方法と分割の扱い |
| クリアフォルダ・封筒 | 中身を取り出し、表書きも先頭ページとして残したい | 表書きの読み取りの扱い |
| 付箋(手書きあり) | 本文と付箋の内容を両方確認できるようにしたい | 対応できる方法と費用への影響 |
| 付箋(目印のみ) | 外して読み取ってよい | 外した付箋の扱い |
| 折り込み・横向き | 広げて、文字が読める向きにそろえたい | 向きの基準とA3を超える紙の有無 |
| 薄紙・感熱紙・破損紙 | 別封筒に分けたので扱いを相談したい | 読み取りの可否と方法 |
上表の指示内容は架空の記入例です。自社の書類に合わせて言葉を書き換えてください。
表と写真を渡したら、打ち合わせで代表的な原稿を見ながら仕上がりの認識を合わせ、合意した内容を依頼メモに残します。後から指示を変える場合は、変更日と対象の範囲を記録し、変更前に作業した分と区別できるようにします。まずは付箋と留め具の多い束を1つ選び、写真を撮ることから始めましょう。
あわせて読みたい
参考情報・サービス情報